あおとさくら 伊尾微著 GA文庫
中学生の頃からなぜか笑えなくなり、クラスになじめず、図書館で静かに本を読むのが日常の藤枝蒼が、図書館で出会った少女、日高咲良と出会う。
咲良は蒼を笑わせてみせると言い、図書館で毎日のように会うようになるが……。
ボーイミーツガールということもあり、性格も真逆に見える二人の青春が静かに描かれています。
友達多そうでよく笑って明るい(しかもイラストのおかげでその印象が強まる!)、いわゆるリア充な咲良と、内向的で暗い性格の蒼。
序盤、二人の違いが際立っていました。
どういう理由かわからないが人になじめないということは、時としてあると思いますが、そんな人にいきなりハイテンションでよく笑う人が一緒になったらどうなるのか、そんなドキドキを感じられます。
咲良と一緒になった蒼はしっかりと変化していきますが、そこまでの描写が丁寧ですね。
いわゆるリア充な咲良が、なぜ図書館で静かに本を読んでいるだけの蒼に目をつけたのか、そんな謎を残したまま……
咲良についての真実を蒼が知ったとき、彼女に何ができるのか。
やりたいことを見つけることの大切さでしたり、誰かのことを思ってその人のために動くことの尊さを感じられる作品でした。