ぼくたちのリメイク7 ものをつくるということ 木緒なち著
※ 内容について触れていますので、6巻目まで未読の方はご注意願います。
芸大の動画制作課題という題材を扱っていますが、まったく侮れません!
今回は、3巻に渡って繰り広げられた動画制作課題の決着回です。
橋場恭也が11年後の未来から戻った後、突如としてライバルとして現れた九路田孝美と競い合った結果がついに明らかになります。
九路田はいい作品を作るためには冷徹にもなれ、芸大において創作の能力としてはトップクラスを誇るという点で、橋場と重なる点が多いです。
二人の違いは、性格と創作に向き合う理由だけ。
そのことが橋場に、創作を続けることとは何かをいい意味で突きつけ続けていました。
二人の戦いに、最後まで緊張させられます。
加えてシノアキという戦力を加えた九路田側の陣営は最強。
そこに橋場側の陣営がどう挑んでいくのかというのも、この巻のキモです。
もはや学生の課題という域を超越した、本当の創作とは何かを語っているといっても過言ではない内容でした。
もちろん、学園祭回でもあるので、そのドタバタ劇も読みごたえがあります。
あのツンとした近寄りがたいあのキャラが、学園祭あるあるのあのイベントに担ぎ出され、とんでもない結果となったのに笑えました。
なおこの巻では、シノアキが完全にモンスターと化します。
なぜ彼女がそこまで絵を描き続けられるのか、そのことが彼女自身に何をもたらすのか、気になりますね。